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ユニットネット 命と景観を守る二刀流

このコラム、梅雨の真っ只中に書いています。今日も激しい雨が降っています。

雨の日が続くと、土砂災害発生のニュースを見る機会が増えるような気がします。

連日の雨と暗いニュースで気持ちまでも晴れない時期です。

日本の年間降水量は世界平均の2倍程度との統計もあり、気象庁HPにあるグラフでは雨時期や台風などで1時間に50㎜を超える豪雨が年々増加傾向だと読み取れます。

 

 

 

 

 

 

日本の近年の災害状況

日本の国土は険しい山が続く複雑な地形をしています。加えて地震も多いことが土砂災害を引き起こす要因とも考えられます。国土交通省のウェブサイト「国土交通白書2024」には全国で毎年約1,440件もの土砂災害が発生しているという集計結果があります(平成25年~令和4年の10年平均)。

ある日突然襲ってくる土砂災害。自分の命を守るための日頃の備えが大切なことは言うまでもありませんが、個人の自助努力には限界があります。

土砂災害に耐えられる強靭な国土を創造する為の事業が我が国では必要不可欠です。

代表的な対策工:のり枠工

土砂災害を防ぐ為には様々な対策工法がありますが、崩れそうな斜面(のり面)にコンクリートの枠を直接設置して抑える「のり枠工」と呼ばれる工法があります。

ワッフルのような格子状にコンクリートを型取りしながら斜面の凹凸に沿って柔軟に設置します。その後、ロックボルトと呼ばれる鉄筋を地山に数m打ち込んで注入剤(セメント+混和剤+水)を充填して地山に固定します。

この特徴的な形状のコンクリート構造物を皆さんも一度は目にした事があるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

この工法は信頼性も高く、長年実績も積上げてきた知名度の高い工法の1つです。

その反面、デメリットもあります。

急斜面で吹付による設置の場合はコンクリートの品質管理や施工管理が容易ではなく、作業員のスキルも当然必要になります。プレキャスト枠(既製品)を使用する場合もありますが、それぞれ重量がある為、運搬や施工の手間はどうしても掛かってしまいます。

天候に敏感なコンクリートの扱いにも注意を払いますし、打設から硬化するまで時間(養生期間)も要します。

施工現場でセメントを攪拌(かくはん)するための作業スペースも確保せねばなりませんが、必ずしも山奥などの狭隘(きょうあい)な現場において充分な作業スペースがあるとは限りません。

また、重厚な仕上がり故の圧迫感は否めません。例えば、趣のある日本家屋の傍に大きな剛体の存在を想像すると…ミスマッチに感じませんか?

命と景観を守る:ユニットネット

平成に入り、そんな「のり枠工」と同じく斜面を抑える工法として弊社の「ユニットネット工法」は誕生しました。

平成13年の兵庫県の治山事業での採用を皮切りに、実に30年近く実績を積み上げてきている工法です。

 

 

 

 

のり枠工と同じように地山に鉄筋を挿入しますが、地山表面にはワッフルのようなコンクリートではなく50cmx50cmの大きさに加工された鋼より線(こうよりせん)を何枚も連結して敷設していきます。

全て工場生産された材料ですので品質も均一です。各部材の重量も5kg以下と比較的軽量の為、斜面での施工性も良く、管理もし易い工法です。設置後のユニットネットは目立つことなく圧迫感も感じさせない形状です。

 

 

 

 

もう一つ、このユニットネット工法の大きな特徴は、既存樹木の伐採を最小限に抑えて景観保全を図れるという事です。樹木には根っこによる土の固定(安定)や二酸化炭素の吸収など、とても大きな役割がありますし、何よりも緑葉や紅葉の美しさは季節の風情を感じさせる自然の象徴でもあります。枯れた落ち葉も時に自然の絨毯となり、秋冬の美しさを演出するものです。

地表面に接するユニットネットは表面土砂や落ち葉の流出を抑制する効果も有します。雨水は落ち葉を通してゆっくりと浸透し、急激な表面水の流れを抑制するとともに、浄化作用も期待出来ます。

 

 

 

 

このようにユニットネットは、人命にも景観にも配慮した工法と言えます。

様々な対策工から工法を選定する際、環境(景観)配慮という地球上での基本的理念の意識はとても大切な要素だと考えます。

情報引用元(出典)

気象庁ホームページ:降雨量50mm/時間以上の年間発生回数グラフ

気象庁 | 大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化 (jma.go.jp)

関連リンク

・ユニットネット工法
https://www.daika-net.co.jp/s04_unit-net.html

・ユニットネット工法の導入事例
https://www.daika-net.co.jp/kouhou/unitnet

・ユニットネット工法に関するよくある質問
https://www.daika-net.co.jp/faq/faq_cat/faq_cat01

・ダイカの斜面防災技術
https://www.daika-net.co.jp/service04_landslide.html

・カタログ・資料ダウンロード
https://www.daika-net.co.jp/catalog

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